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アメリカでの起業は難しくない!
英語ができなくても専門家を活用すれば成功できる!
今回のポイント
- 英語学校の友人たちなどの情報網を徹底的に活用する
- 英語力に自信がないなら日本語のできる専門家を探す
- 永住権や資金の獲得でも粘り強く挑戦を続けよう
守山明さん(仮名)は、北海道の高校を卒業後、東京でサラリーマンを五年経験した。その後、実家に戻り、親や友人から資金を借りて、小さな雑貨屋を始めた。最初の二年間は順調だったが、バブル崩壊後、店の売り上げが急激に落ち込み、赤字続きとなった。
一時は近くのコンビ二エンスストアに対抗するため、24時間営業も試みるが、体を壊して入院。入院中、このままズルズル働き続ける将来に不安を抱き、高校時代からの夢であったアメリカで商売することに挑戦してみよう、と一大決意をした。相当の苦労は覚悟の上だ。そして、退院後すぐに店を売り、借金を返済するやいなや渡米した。当時まだ二五歳。つてはまったくないが、とにかく行ってみて手探り状態ながら現地でスタートをしようと考えた。思い切ったことができたのも、若さゆえの勢いだったかもしれない。
最初の関門はコミュニケーションだった。英語がまったくしゃべれないので、どうすることもできない。とにかく、英語を安く学ぶ方法はないかと考えた。日本人を対象とした土産物店に飛び込み、頼み込んでそこでアルバイトをさせてもらいながら、近くの英語学校に通うことにした。
ビザがなかったので、とりあえず英語学校から学生ビザを出してもらい、合法的に米国滞在の許可を得た。だが、フルタイムで働くためには、労働ビザか永住権が必要なことが分かり、いかに取得できるか友人に聞きまくる。
たまたま、その年は米国政府の特別な政策で、外国人に永住権を抽選で与えることになったとの話を学校で聞きつけた。「アメリカで商売するため、絶対に永住権をとるぞ!」と決意し、締め切りまで徹夜の連続で、1200通以上の申請書を送った。その執念で見事抽選に当たり永住権を獲得した(ちなみに、当時は、何通でも出願が許されていた)。
その時点で、まだ英語は少ししか話せなかったが、焦っていた彼は、さっさと英語学校と土産物店を辞め、起業の準備にとりかかった。何を始めるか悩んだ末、アメリカ社会に日本文化を広めたいとの思いから、本格的な日本食レストランを始めることにした。まったく経験のない未知の世界だ。
私が守山さんと出会ったのは、起業コンサルタントとしての私に、ビジネスプランを作成するための支援を友人を介して求めてこられたときだった。計画を聞いて、まず英語のあまりできない彼の片腕となる有能な弁護士や会計士、不動産コンサルタントが必要と考え、紹介した。
法律、会計・財務・税務、不動産は、事業を始める際の最も大事な専門分野だ。ただでさえ専門的で分かりにくく、間違え(まただまされ)やすいので、英語ができない場合には、日本語の分かる専門家に任せたほうが得策だ。費用面では、当初は高めにつくが、それ以上の経済的効果が後に出てくる。
おカネをケチって日本語のできない安い専門家を使うと、結果的にだまされたり、間違いが生じて、大損を被ることが多いので、要注意だ。
守山さんの場合、私が通訳兼アドバイザーとして、逐次手伝うことも考えたが、私は月の半分は日本にいるため、緊急時の対応や出店準備のスピードを考慮して、彼が直接専門家たちと正確なコミュニケーションができるようにしておくことが必要と判断した。
幸い日本語のできる各専門家が見つかったからよかったが、起業する地域によっては、バイリンガルな専門家がいないこともあるだろう。その場合、少なくとも各専門分野の分かる通訳を確保されることを強くお勧めしたい。
弁護士、会計士、不動産コンサルタント、そしてビジネス・コンサルタントである私の四人が、彼のビジネスプランを何度も何度もチェックし、修正・追加を続けて完成させた。
資金のほうは、日本で雑貨屋を売ったときに残った少しばかりの現金を元手に、外食系米国べンチャーキャピタルから、多店舗展開すること、五年以内に株式公開をすることを条件に200万ドル近くの出資を得た。守山さん自身が、ビジネスプランを片手に、四ヵ月かけて60社近い投資グループを駆けずり回って勝ち得た結果だった。
まったくの「ど素人」で、従業員(特に板前)の確保や訓練がプランどおりにいかず気をもむこともあったが、守山さんのやる気と努力で、その店は、その地域で最も繁盛している日本食レストランの一つとなった。現在守山さんは、一号店の成功に酔いしれることなく、二号店出店の準備に余念がない。従業員の半分以上はアメリカ人やメキシコ人であるため、英語でのコミュ二ケーションには、今でも大変苦労している様子だ。
しかし、「英語ができなくても、また経験がなくても、あきらめないで挑戦し続ければ、必ず成功できる」と、日本人従業員に語る守山さんのことばには、自らの体験であるだけに、大変な重みを感じさせられる。
次回は、エンジェル、べンチャーキャピタルから支援を得る方法について、やはり実例を通してポイントを説明したい。
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