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アメリカでの起業は難しくない!
アメリカ人の有能な人材を獲得する四つの方法

今回のポイント

  1. ベンチャーフォーラムやセミナーに参加して、人脈を築く
  2. 友人や知人から、よく知っているアメリカ人を紹介してもらう
  3. 自ら会社説明会やセミナーを開催して自社を知ってもらう

高野徹さん(仮名)は、十一年間東京でコンピューターソフト開発会社を経営してきた41歳の起業家だ。数年前、動画の最新圧縮技術を開発しようとするロシア出身の技術者とアメリカ出張中に出会った。その技術に着目した高野さんは、商品化を目指し、そのロシア人技術者をCTO(最高技術責任者)に迎え、シリコンバレーで起業することにした。

日本の会社の経営があるため、自分自身が新会社の経営にあたることは、時間的にも物理的にも無理だった。いろいろ悩んだ末、社長代理のCOO(最高執行責任者)となる有能なアメリカ人を見つけるしかないとの結論に達した。ただ、シリコンバレーでは、激烈な人材獲得合戦が繰り広げられ、資金も実績もない日系ベンチャー企業に来てくれる優秀なアメリカ人経営幹部などまず見つからない。しかし高野さんの新会社は気難しい技術者たちをマネジメントできる高度な能力を有する人材がどうしても必要なのだ.

そこで高野さんは、まずベンチャーフォーラム(起業家が事業計画を投資家や弁護士、会計士、コンサルタントなどの起業家支援者に対して発表する起業家と投資家との出会いの場)やベンチャー関連セミナーなどにできるだけ参加することにした。新会社と技術を知ってもらうためだ。 

ベンチャーフォーラムやベンチャー関連セミナーには、ベンチャー関連セミナーには、ベンチャー企業の経営幹部候補者がよく集まる。彼らはそこで面白そうなベンチャー企業を見つけては、その経営者と面談する。

ベンチャーフォーラムによっては、幹部候補者の履歴書のコピーを受付近くのテーブルに並べ、ベンチャー企業の経営者に渡すところもある。実際、経営陣の半数以上をフォーラムやセミナーで発掘し、即戦力として雇った日系ベンチャー企業の例もある。

話を元に戻すと、高野さんはベンチャーフォーラムやセミナーに足を運ぶうち、一人のアメリカ人起業コンサルタント、ピーター・トーマスさん(仮名)に出会った。彼はアメリカ東部の名門大学で経済学と工学を学び、スタンフォード大学経営大学院(ビジネススクール)でMBAを取得した俊英だ。いくつかの技術系ベンチャーの起業に参画し、技術開発、財務管理、IPO(株式公開)準備、マーケティング、経営戦略などベンチャー経営では欠かせない分野を一通り経験している。

トーマスさんは、最初、新技術を信じなかったが、開発途中のソフトのデモを見た瞬間、驚きを隠せなかったという。高野さんの下で働かせてほしいとトーマスさんは申し出た。そこで、トーマスさんは、即刻高野さんの会社へ入社し、今ではCOOとして大活躍している。

トーマスさんは、状況分析、事業計画作成、プレゼンテーション、利害関係者に対する調整、投資家への対応など経営陣の一員として必要な能力を十分兼ね備えている。彼がCOOに就任してから、事業会社、エンジェル、ベンチャーキャピタルなどからの問い合わせが急増した。彼はIPOを踏まえ戦略的に投資家を選んでいる。

橋渡し役が必要

アメリカ人の有能な人材を確保できるかどうかは、日本人がアメリカで起業する際に最も大事なことの一つだろう。理由は大きく分けて二つある。まず、日本人は英語が苦手なうえ、コミュニケーションが下手だからだ。そのため、COOレベルでコミュニケーションの上手なアメリカ人を確保し、それで、自分の言いたいことを伝え、またアメリカ人従業員が不満に思うことや提案したいことなどを伝えてもらう橋渡しをしてもらうことだ。

また、もう一つの理由は、日本人であるがゆえに、アメリカ文化や慣習が理解できない一方、アメリカ人従業員も日本人の発想や論理についていけないことが多い。そのため、アメリカ人COOに掛け橋になってもらい、異文化でのコミュニケーションや相互理解を深める手伝いをしてもらう。

最後に日本人起業家のために、アメリカで有能な人材を獲得する方法を四つ紹介したい。

まず最初に、すでに述べたベンチャーフォーラムやベンチャー関連セミナーに参加し、人的ネットワークをつくることだ。有能な人材を見つけられるだけでなく、投資家とも出会える。

次に、いちばん確実な方法がある。友人や知人から、よく知っているアメリカ人を推薦・紹介してもらうことだ。私の経験からいうと、推薦された人は外れが少ない。

三つめは、自ら会社説明会、セミナーなどを開催し、多くの人に自社を知ってもらう機会をつくることだ。それによって、会社の経営理念や事業目的に興味を持つしっかりしたアメリカ人が応募してくる確率が高まる。

四つめに、切り札としてヘッドハンターを使う方法もあるが、できれば避けたほうがいい。そうして得た人材は、より雇用条件がよい企業からオファーがあれば、そこに移っていくことを覚悟する必要があるからだ。

気をつけなければならないのは、その人がなぜ自分の会社に来たいのかをしっかり把握することだ。目的を持たない腰掛け的なアメリカ人も増えていて、彼らはより高い収入やストックオプションを求め、六ヶ月ごとに職場を変えている。それでは会社に貢献してくれるとは期待できないからだ。

     
  
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