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起業するタイミングが勝者と敗者を決する!
なぜ今、日本国内ではなくアメリカで起業するのか?
事業の内容に応じて理想的な起業の地を選ぼう
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アメリカでの起業は難しくない!
事業の内容に応じて理想的な起業の地を選ぼう

今回のポイント

  1. 事業内容により、進出する地域を選ぶ必要がある
  2. 専門家や支援者のいる場所を選べば成功の確率も高まる
  3. 初期コストが高くついても、リターンは大きい

映画の大ファンである山下慎一さん(仮名)は、小さいころからアメリカで映画を作ることを夢見ていた。二浪して第一志望の大学の芸術学部に入学。在学中は映画鑑賞にふけり、三年留年して卒業。映画製作会社の正式なスタッフになるという希望は叶わなかったが、アルバイトの雑用係として採用された。その喜びもつかの間、プロの世界の厳しさを嫌というほど味わい、精神的にも肉体的にも疲れ果てていた。

 しかし、山下さんは本場アメリカでの映画製作をあきらめきれず、アメリカへ渡ることを決意した。まず、資金を貯めるため、時給の高い肉体労働のアルバイトを一年近くこなし、二百万円近くを貯めた。渡米先は物価が安く、授業料が安い英語学校があるテキサス州の田舎、サンアンジェロにした。

 彼は、あるレストランでウエイターのアルバイトをしていて、たまたま私のテーブルの担当となった。少しの会話から、私が起業コンサルタントをしていることを知った彼は、一週間後私に相談があるといって電話してきた。

 彼の話によると、全米の映画製作会社や関係者に手紙を送り、電話し続けたが、どこからも音沙汰がない。サンアンジェロにいてもチャンスはなさそうなので、日本に帰ろうとしていた。

 そこで私は、日本に帰る前に、映画製作の本場カリフォルニア州ハリウッドに移り、そこで映画製作関係者に直接会って自己をアピールするように勧めた。私が問題だと思ったのは、彼は映画製作を目指しているにもかかわらず、実際の活動の拠点が映画製作とはまったく無関係・無縁のサンアンジェロだったことだ。その分野の中心地ハリウッドからあまりにも遠すぎる。

 早速ハリウッドに移った彼は、必死になって映画関係者にアプローチした。まともに会社に連絡しても、意思決定者には会えないので、彼らの行きつけのレストランを徹底的に調べ、映画関係者が集まる店にウエイターとして雇ってもらった。

 期待どおりいろいろな映画関係者が店に来るが、落ち着いて話すチャンスがない。そこで、事前に準備した自己アピールの手紙をポケットに忍ばせ、大物映画監督やプロデューサーが来た際、帰る直前に渡すことにした。十六人めの映画関係者、S監督に手渡した翌日、その監督の事務所から山下さんに連絡があった。結局山下さんはその面接試験にパスし、今はその事務所でアシスタント、いわば雑用係の一人として修行中だ。まだまだ先は長いが、必ずいつの日か自作映画を完成させ、国際的な映画祭に出品させたいと意欲満々だ。

事業により適地は異なる

  国土の広いアメリカで起業する場合、その事業の最も進んでいる地域、つまり、その分野の会社・専門家が集まっている地域で起業することが成功への近道である。アメリカに渡った日本人起業家が起業する場所を間違えてうまくいかなかったケースは多い。山下さんの例に見るとおり、多少経済的に高くついたとしても、最初からハリウッドに行って根を張り、人的ネットワークを広げることで得られるチャンスをものにしていったほうが効果的であり、かつ早く成功できる可能性が大きい。

 アメリカの場合、それぞれの地域・州を中心に経済が回っていることもあり、事業内容により進出する地域を選ぶ必要がある。また、テキサスなどのように州立大学出身者のほうが、ハーバードなどの一流大学出身者よりも優遇される場合もある。

 そこで、事業による進出地域候補を以下一部紹介する。

● メディア関連→シリコンアレー(ニューヨーク),

● コンピューターソフト→オースティン,ダラス、ボストン、シアトル

● コンピューター関連→シリコンバレー(カリフォルニア)、ボストン、オースティン、ヒュー ストン

● 半導体関連→シリコンバレー、ダラス

● ヘルスケア(医療)関連→サンディエゴ、サンアントニオ、ボストン

● 製薬関連→ニュージャージー

● テレコミュニケーション(情報通信関連)→ダラス

● 流通・外食→ロサンゼルス、シカゴ、サンフランシスコ、ダラス

● ファッション関連→ニューヨーク、サンフランシスコ

● ファイナンシャル(金融)関連→ニューヨーク、シカゴ、サンフランシスコ、ダラス

 挙げると切りがないが、アメリカで起業しようという人は、その事業は全米でどこが進んでいるか、また、競合する企業がどの地域にあるかをしっかりと調べたうえで、戦略的理由を明確にして進出地域を選ぶ必要がある。

 また、ベンチャー企業にとっては、その業種を専門とするベンチャーキャピタルやエンジェルから資金調達をするために、あるいは大企業やほかのベンチャー企業との早期段階での戦略的提携を実現させる目的からも、パートナーにしたいベンチャーキャピタルや企業がある地域に進出するべきだ。たとえ初期コストが割高になっても、そのリターン(経済的効果)は比べものにならないほど大きいものとなる。

 私自身、合弁・提携・投資事業として、全米で八つの事業を現在進めているが、いずれも進出地域を厳選したため、各事業とも最低100万ドル以上の経済的効果が利益面において出ている。それほど地域選択は重要なのだ。

     
  
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