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株式会社ジェイ・シー・アイ関連パブリシティ一覧
2000年10月21日

   

週刊東洋経済
「21世紀の会社組織3、超スピード化時代の組織」
トップが率先して現場と直接対話せよ

講師 浜口直太JCI代表取締役社長



浜口直太(はまぐち なおた)
KPMGピートマーウィック、プライスウォーターハウスを経て92年、米国で経営コンサルティング会社設立。 97年、東京に国際ビジネス・経営コンサルティング会社「日本コンサルティング・インターナショナル」設立、 2000年4月に現社名ジェイ・シー・アイ(JCI)に変更。テキサス州立大学経営大学院でMBA取得。


要点
◆超スピード化社会では現場直結の組織が必要とされる
◆ピラミッド組織では意思決定・実行が遅れがちになる
◆経営トップが積極的に現場とコミュニケーションを


私は現代の企業経営で「スピード経営を実行できる社長・トップマネジメント」ほど大切なものはないと 思っている。もちろん、ただ早く意思決定や実行に移すことだけではダメだ。普段からスピード経営の 大切さを説き、自ら実践しながら、株主・社外取締役、顧客、社員、取引先など関係者に理解・支援 してもらうようにしなければならない。
少し前までは企業経営において、ヒト、モノ、カネ、情報が最も大事な要素とされ、その中でも「企業は ヒトなり」で象徴されてきたように、ヒトがすべてを決める。人間の組織である以上、ヒトが大事であること は普遍だと思うが、さらに具体的に絞り込んで言及すると、すでに述べている「スピード経営を実行 できる社長・トップマネジメント」だと痛感する。それさえあれば、モノ、カネ、情報は自然についてくる。

スピード経営の組織


私は縁あって20年近く日米間で、企業の組織を観察することを一つの仕事としてきた。 その経験から、日米両国の優良企業に存在する一つの普遍的な特徴を学んだ。
それは、「スピード経営を実行できる社長・トップマネジメント」の作る組織が、自然と同様な ものになることだ。具体的イメージとしては、「スピード経営におけるダイレクト・コミュニケーション」 というタイトルをつけた左nの図のようになる。
その図を見ていただくと明らかだが、社長・社内取締役(会社によっては執行役員)がコミュニケーションの 中心におり、彼らから社外取締役・株主、顧客、社員(上・中管理職を含む)、取引先へはダイレクトに コミュニケーションができることになっている。

これはスピード経営を行う社長・トップマネジメントにとって当たり前のことだ。が、実際に現在日本の 大企業や中堅企業で、社長・社内取締役が社外取締役・株主、顧客、社員、取引先に直接コミュニケーションを 図っているところは極めて少ない。
50年以上の歴史を誇る自動車部品メーカーのC社は、バブル経済のあおりを受けて、1980年代半ば から90年代初頭まで業界でもトップクラスに躍り出るほど急成長した。
作れば作るほど売れる状況(バブル経済)の下では、同じようなことを繰り返してさえいれば、経営は 安泰のようだった。まさか、急激に経済が悪化し、それが7年以上も続くとは、C社の社長・トップマネジメントの 誰もが予想できなかった。

バブル経済時は、今同様、ピラミッド型組織でトップマネジメントから末端の社員までかなり厚い層が できてはいたが、ビジネス環境が今ほど急激に変わるようなことがなかったために、意思決定や実行速度が 多少遅くても、そこそこの結果は出ていた。しかし、93年前半から急速に業績は悪化し、それから毎年減収減益を 繰り返している。このまま行くと存続も危ぶまれる状況にまで追い詰められている。
C社の社長・トップマネジメントは、リストラをはじめさまざまな手を打つが、一向に業績の回復が見られない ことから、いまだに苦悩のどん底にいる。C社の場合、かなりドラスチックな変化を経験したが、この種の問題は、 現在日本企業のほとんどが抱えている構造的・本質的なものだと私は診る。
つまり、超スピード化しているビジネス環境下において、ほとんどの日本企業はいまだにピラミッド型組織を維持している ため、稟議制度、コンセンサスによる意思決定、決済・決議事項に関する事前の長時間にわたる根回しなどで、 意思決定・実行のタイミングをかなり遅らせている。

現場本位の意思決定を


ある大手日本企業の依頼で、米国での提携先・投資先の発掘・紹介をしたことがある。2年間で250社ほど 紹介させていただいたが、結局トップマネジメントによる意思決定の遅さから、米国の競合他社や日本の ベンチャー企業にビジネスチャンスをことごとく横取りされ、成功した提携・投資が少なかったのを思い出す。

昔のように意思決定に必要な情報を100%近く集められるまで決断を待つことは、超スピード化社会の 現代において、もう意思決定としてほとんど無意味になってきている。 せいぜい60%くらい集められれば十分で、それ以上情報が集まるまで待てば、大抵の場合ビジネスチャンスは 逃してしまう。したがって、60%近い情報が集まった時点で速やかに意思決定し実行する癖をつけることは、 スピード経営における成功の必須条件といえる。

社長・トップマネジメントがその60%の情報をどれだけ早く集められるかが成功のポイントとなってくる。 また、普段から社外取締役・株主、顧客、社員、取引先とどれだけダイレクトでオープンなコミュニケーションができている なかで、その60%の情報の利用価値が大きく変わってくる。すなわち、トップはコンスタントなダイレクト・ コミュニケーションによって、現場とのギャップをできるだけなくし、現場本位の意思決定をしなければ、 超スピード化社会では、正しい経営判断はできないということだ。例として出したC社には、まさにこれが 欠けているのだ。
ちなみに、現場とは、社員のみならず、株主、顧客、取引先が会社に関する活動を行っている第一線の場を指す。 またそこはいちばん生で最新情報が集まる所でもある。
難しいことをいっているようだが、実は非常に単純なことだ。つまり、「トップ自らできるだけ現場に入り、 株主、顧客、社員、取引先と直接対話し、意見も聞いて、それを基にスピーディーに意思決定・実行していきましょう」 ということだ。今までのように、ピラミッド型組織のトップにいて、自分では動かないで下から上がってくる 情報だけで大事な経営判断をしない、ということでもある。

社長が今実践すべきこと


最後にスピード経営に必要な社長・トップマネジメントによるダイレクト・コミュニケーションの中で、これだけは社長・社内取締役に実践 していただきたいということを次に紹介する。
@社外取締役を全取締役数の半数以上にし、彼らと共に株主と定期的(できれば四半期に一回)に会い意見・ 情報交換をする。
A顧客に対して満足度に関するアンケートを定期的(できれば四半期に一回)に行い、その結果が出るごとに顧客と会い、フィードバックして もらったうえで、具体的な改善策を話し合う。
B定期的(できれば半年に一回)に社員との意見・情報交換会を持ち、問題点を探る。
C取引先に対して現状における問題点に関するアンケートを定期的(できれば四半期に一回)に行い、 その結果が出るごとに取引先と会い、フィードバックしてもらったうえで、具体的な改善策を話し合う。
DEメール、意見箱、手紙などあらゆる手段で、社外取締役・株主、顧客、社員、取引先からアイデアや 意見を出してもらえるよう定期的にお願いする。
これらから理解いただけると思うが、ポイントは社長・社内取締役から社外取締役・株主、顧客、社員、 取引先への積極的でコンスタントかつダイレクトなコミュニケーションだ。これ以外にトップと現場の ギャップを埋める最良の方法はないというのが、私の結論だ。




     
  
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