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株式会社ジェイ・シー・アイ関連パブリシティ一覧
2000年10月14日
週刊東洋経済 「21世紀の会社組織2、ピラミッド組織の弊害」
上下関係をなくし変化に迅速対応を
講師 浜口直太JCI代表取締役社長
浜口直太(はまぐち なおた)
KPMGピートマーウィック、プライスウォーターハウスを経て92年、米国で経営コンサルティング会社設立。
97年、東京に国際ビジネス・経営コンサルティング会社「日本コンサルティング・インターナショナル」設立、
2000年4月に現社名ジェイ・シー・アイ(JCI)に変更。テキサス州立大学経営大学院でMBA取得。
要点
◆スピード時代で従来のピラミッド型組織の弊害が深刻化
◆これからは上下関係のない21世紀型組織の採用が必要
◆社内外の相互理解を促し、変化への対応を迅速化させる
インターネットの登場で、経営のグローバル化とスピード化ににものすごい勢いで拍車がかかってきている。
これは組織内外の人の間でコミュニケーションや大量の情報発信がグローバルかつ安価で一瞬にしてできるようになったためだ。
つまり、企業競争の観点から見ると、超スピード化した現代のビジネス環境において、コミュニケーションや
情報発信が速ければ速いほど有利になることを意味している。
ピラミッド組織の弊害
B社は創業50年以上家電事業に従事し、一時業界でも優良企業として高く評価されていた。ところがここ
数年、業績、またそれに伴い株価が急落している。株主総会や取締役会での発言を聞いていると、社長は
その原因を「不景気」の一言で片付けているきらいがある。
私はこの会社を診たとき、今のほとんどの日本企業に当てはまる共通の根本問題が存在すると判断している。
それは長い間の企業経営の歴史において、最適とされてきたピラミッド型組織(図参照)がもう通用しなくなった
ということだ。
なぜ通用しなくなったかというと、冒頭に申し上げたように、インターネットの出現によってわれわれが今、
超グローバル化ならびに超スピード化時代に入ったからだ。図にあるように20世紀後半に普及した会社組織は、
「従来のピラミッド型」のタイトルで表した。
ところで、この図は、典型的な従来の会社組織と21世紀を目の前に今後構築すべき組織を、私なりに
特徴を強調して分かりやすく表したものである。これらは、ピラミッド型組織の問題点と今後あるべき
組織のポイントを読者にご理解いただくために使う。科学的・学術的に何ら検証・照明されたものではないことを
明記しておきたい。
この図を見て気づいていただきたいのは、「従来のピラミッド型」では株主が一番上で、それから社長・取締役、
上級管理者、中級管理者、社員、そして一番下に取引先・顧客がきていること。つまりそこには厳然と上下関係が
存在している。
もう一つは、「21世紀型」では、社長・社内取締役(会社によっては執行役員)が真ん中におり、
その周りを社外取締役・株主、顧客、社員、取引先がいることだ。ご理解いただきたいのは、中心は
社長・社内取締役だが、社外取締役・株主、顧客、社員、取引先の間に上下関係はないことだ。
さらに、上級管理職、中級管理職は実質存在しない。上級も中級もなく、みんながプロフェッショナルと
してのスタッフ(社員)ということだ。
現在日本の大企業・中堅企業は例外なくピラミッド型だ。ピラミッド型組織であるため、規模が大きくなればどうしても
管理層がさらに厚くなるのは当然だろう。しかし、それが今企業経営にとってどんなにマイナスになっているか。
その代表的な弊害三つを次に指摘する。
@管理層が厚ければ厚いほど、社長やトップマネジメントからのコミュニケーションや指示が遅れ、
効果や正確性に欠ける。
A社長やトップマネジメントは、「顧客第一主義」や「取引先を大切に」と管理職や社員に訴えるが、
社長やトップマネジメント自身、直接取引先・顧客とコミュニケーションや近い関係がないため、取引先や
顧客のニーズや声を正確に把握し、適切な手を打つことができない。
B株主、社長・取締役、上級管理者、中級管理者、社員、取引先・顧客という順で、上下関係が存在するため、
社長やトップマネジメントは本来大切にすべき社員や顧客・取引先への対応がよくない。
実はこれら三つの弊害は、グローバル化・スピード化が急激に進む今、大きな問題となってきている。
すなわち、ピラミッド型組織は、急変するビジネス環境、特に顧客志向や取引先ニーズの変化へのスピーディーな
対応・処置がだんだんと不可能になってきている。
ほとんどの大企業や中堅企業がその状況にあり、深刻な問題だ。本格的な組織改革、つまり「従来のピラミッド」
から「21世紀型」への変更が必要になる。それを可能にするには、社長ならびにトップマネジメントの
意識革命が必須である。
われわれはコンサルティングを引き受ける際、「トップマネジメントの革命的危機感による組織改革」と
呼ぶプロジェクトを導入する。これは、ゼロからまったく新しい組織を作るよりも社内外から邪魔や
批判を受ける。そのため、コンサルタントも命がけぐらいのつもりで当たらないと達成できないほど
エネルギーと神経を擦り減らす。
21世紀型組織の強み
大企業や中堅企業がそのような危機的状況にある一方(実際に危機的状況だと思っているトップマネジメントは
まだまだ少ないが)、多くのベンチャー企業は、企業規模が小さいこと、また意識的に急成長に順応しやすくしていること
から、すでに21世紀型組織を構築しているところは多い。そのため、株主、顧客、取引先、社員に迅速
かつ適切に対応しやすい。最近大企業や中堅企業がベンチャー企業に苦戦しているのは、これらの理由
によるところが大きいと私は思っている。
前回も紹介したが、大企業でも比較的ピラミッド型組織から21世紀型組織に近い経営をしているのが、
ソニー、オリックスであろう。また、急成長しながらピラミッド型組織を意識的に避けてきたのがソフトバンクだ。
社外取締役制度と執行役員制度をいち早く大胆に採用し、孫社長自ら株主、取引先・顧客、社員と積極的に
コミュニケーションをし、最新の生情報を基に、ものすごいスピードで決断を下し実行している。また、
決断がスピーディであるため、当初間違った意思決定も多いが、その軌道修正の速さにも舌を巻く。
私が機会あるごとにこれからはベンチャー企業が大企業や中堅企業を負かすと主張しているのは、ソフトバンク
のようなベンチャー企業がこれから続々と出現すると思うからだ。
それでは、具体的に21世紀型組織の強みはどこにあるのであろうか。私なりに最低三つはあると見ている。
それらを簡単に次に紹介する。
@上下関係がないため、社長・社内取締役、株主・社外取締役。顧客、取引先、社員間のコミュニケーション
(特にクレーム処理や問題点指摘)がスムーズで活発。
A社長・社内取締役、株主・社外取締役、顧客、取引先、社員がパートナーとしての意識を持てるため、
相互理解や助け合いができやすい。
B管理職が事業・業務・プロジェクトのリーダー的役割を果たすため、総合的な実力主義で事業・
業務・プロジェクトの遂行が行われ、管理職者・社員がプロフェッショナル化し、スピーディに成果が上がりやすくなる。
21世紀をあと3ヶ月足らずで迎えようという今、ビジネス環境は急変している。かなりの痛みを伴うが、
今、本格的な組織改革を行う企業とそうでない企業は、数年後には「勝ち組」と「負け組」として明確に
差が出るであろう。ポイントは管理職をなくすのではなく、プロフェッショナル化させることであろう。
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