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POINT1
事業計画書は自らの手で作成する
POINT2
選んだ市場が潜在事業規模を決める
POINT3
マーケティング力が勝負の分かれ目
POINT4
小さく始めるべき事業と事業と多額の投資をすべき事業を見極める
POINT5
自分の弱点を補うアドバイザー、パートナー、部下と組む
POINT6
最後の決め手は起業家の人格

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アメリカでベンチャーに挑戦 - 成功の6カ条

Point 1:事業計画書は自らの手で作成する

まず、すべてはしっかりした事業計画書(Business Plan)を作成することから始まる。多くの日本人は、事業計画書は資金を集めたり他の面での支援・協力を要請するために外部の人に見せる目的で作るものだと誤解している。確かに、それも事業計画書の目的ではあるが、最も大事な目的は、その作成課程において自分自身の考えをまとめることにある。

従って、新事業を始める際に外部の人からの支援・協力をあまり必要としない場合、ほとんどの日本人は事業計画書を作らないが、これは最初から致命的なミスを犯している。自分の考えや理解に無理や矛盾がないかどうかを確認する作業を、一番最初に時間を惜しまず冷静に行わないと、最初からやり直すか、また最悪の場合、やり直しすら効かなくなる。

ある大衆レストラン・チェーンを日本で成功させた日本人オーナーは、米国でもチェーン店展開をするため米国に渡ってきた。彼は、アメリカ人は日本人同様、料理の見栄えや味にこだわると思い込み、本来なら同店のコンセプトからみて、ターゲットの顧客が中流階層以下になるべきだったにもかかわらず、店の場所と内外装にお金をかけ必要以上に高級化させてしまった。当然、投資回収上、料理の値段は競合するところより高くなった。中流階層のほとんどのアメリカ人は、値段を第一とするので、高すぎて最初から寄り付かない。一方、高級感がもう一つ足りない中途半端な店との評価から、上流階層にも受けず、結局安定した顧客がつかぬまま、全く採算が合わず撤退に追い込まれた。

それでも米国に留まり商売を続けたかったオーナーから、対応策を提案して欲しいとの依頼で、私は同チェーン店の米国での新事業を分析した。驚いたことに、一見立派そうな100ページ近い事業計画書は作成されていたが、事業展開上全く活用されていなかった。オーナーに聞くと、高額を支払って一流の米国コンサルティング会社に計画書を作成させたが、社内で読みこなして利用できる人がいなかったために、新規事業担当役員の机の上で眠り続けていたとのこと。

事業計画書は、関係者・アドバイザー(会計士、弁護士、銀行の担当者、投資家、各分野の専門コンサルタント、研究者等)の助けは借りるが、事業を興す本人が作らないと、この例のように役立たない。そうしないと、関係者から指摘される問題点や質問事項にも満足させられるだけの対応ができなかったり、予期せぬことに対しても迅速かつ適切な対応ができずに、起業家として大事な信用を早期段階で失うことにもなる。

新事業を興す際に最も大事な成功の条件の一つとなるのが、できるだけ早く業界・事業関係者から信用を得ることだ。つまり、信用を得る人と言うのは、事業計画書が完全に自分のものとして体得されているため、質問や問題点等をどこから突っ込まれても、また多少の計画の変更を余儀なくされても、迅速で細かくかつ説得力のある対応ができる。

新事業という性質上、リスクは既存のビジネスに比べかなり高くなる。それでは関係者は、最終的に事業の何をみて支援を決めるのであろうか?それは事業を興す人がどれだけその事業に精通し、その証拠としての説得力のある言動ができるかである。事業計画書は、それを判断するのに最も貴重な情報となる。事業計画書は詳細であったり量が多いことよりも、具体的、現実的、また客観的に書かれていることが、もっと大事である。

事業計画書の中で最も重要なポイントになるのは、事業と市場動向に関する正確な把握とそれに基づく正しい仮説を立てること。事業とその市場動向の正確な把握ができず、間違った仮説を基に計画を立てると、最初から根本的に実行不可能なので、無意味となる。80年代後半から90年代初頭には、バブル経済崩壊の兆候が市場に出ていたが、多くの人が把握できず、バブル経済が続くという仮定で事業計画を立ててしまった。その計画は、92年以降市場動向と全くかけ離れ、実行不可能で無意味となった。

総じて「事業計画書を軽んじる者は、その計画書に泣かされる」というのが、私の持論である。ビジネスの基本プロセスは、(1)計画>(2)実行>(3)結果測定・記録>(4)結果分析>(5)計画補正、の5段階に分けられる。ビジネスの世界での計画は、その通りになることは有り得ないため、後に必ず補正が必要となる。そのため計画を正確に書面として残すことは、新事業を始める際に欠かせないことだ。結論として、具体的、現実的そして筋の通った、つまり説得力のある事業計画書が作れない起業家には、成功は最初からおぼつかないことを、強調しておく。

     
  
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